WSUSで Windows Server 2022 に MSRT(KB890830)が自動適用されない理由

1.はじめに

WSUS を利用して Windows Server の更新を管理している環境で、
Windows Server 2022 に「悪意のあるソフトウェアの削除ツール(MSRT:KB890830)」が自動適用されない
という事象に遭遇するケースがあります。

興味深いことに、同じ WSUS 環境で管理している Windows Server 2016 や 2019 では問題なく自動適用されているため、
「2022 だけ適用されないのはなぜか?」という疑問が生まれます。

本記事では、この不一致の原因と、
Windows Server 2022 に MSRT を自動適用させるための正しい自動承認設定について解説します。

2.現象の概要

WSUS の自動承認設定では、以下の製品カテゴリを選択していました。

Windows Server operating system – 21H2(Windows Server 2022)

この設定により、Windows Server 2022 の OS 本体更新(LCU、セキュリティ更新)は問題なく適用されます。

しかし、以下の更新が自動適用されませんでした。

悪意のあるソフトウェアの削除ツール(MSRT:KB890830)

一方で、以下の製品カテゴリを選択している Windows Server 2016 / 2019 では自動適用されていました。

Windows Server 2016

Windows Server 2019

つまり、Windows Server 2022 にだけ MSRT が自動適用されないという現象が発生していました。

3.原因

MSRT は「Windows Server operating system – 21H2」ではなく
「Windows Server version 1903 and later」に分類されている

MSRT(KB890830)は OS 本体の更新ではなく、
汎用ツール更新(Tools)として配布されています。

そのため、Windows Server 2022 の更新カテゴリは以下のように分かれています。

✔ OS 本体更新(LCU・セキュリティ更新)
Windows Server operating system – 21H2

✔ 汎用ツール更新(MSRT・その他)
Windows Server version 1903 and later

つまり、
MSRT は 21H2 ではなく “1903 and later” に分類されているため、
21H2 のみを自動承認していると Windows Server 2022 に適用されない
という構造になっています。

4.正しい自動承認設定を行う方法

Windows Server 2022 に MSRT を自動適用させるには、
自動承認設定に以下の 2 つを含める必要があります。

① Windows Server operating system – 21H2
② Windows Server version 1903 and later

この 2 つを設定することで、
OS 本体更新と汎用ツール更新の両方が自動承認され、
Windows Server 2022 に MSRT が正しく適用されるようになります。

5.検証結果の比較

OS / 設定カテゴリ MSRT 自動適用 備考
Windows Server 2016(Windows Server 2016) ✅ 適用される MSRT がこのカテゴリに含まれる
Windows Server 2019(Windows Server 2019) ✅ 適用される 同上
Windows Server 2022(21H2 のみ) ❌ 適用されない MSRT は 21H2 に分類されていない
Windows Server 2022(21H2 + 1903 and later) ✅ 適用される 正しい自動承認設定

6.補足:Windows Server の更新カテゴリは世代ごとに異なる

Windows Server の更新カテゴリは OS 世代によって構造が異なります。

2016 / 2019
→ OS 本体カテゴリに MSRT が含まれる

2022(21H2)
→ OS 本体カテゴリには含まれず、
  MSRT は “Windows Server version 1903 and later” に分類される

この違いが、今回の「2022 だけ自動適用されない」という現象の原因です。

7.まとめ

  • Windows Server 2022 の MSRT は “Windows Server version 1903 and later” に分類されている

  • OS 本体カテゴリである “Windows Server operating system – 21H2” だけでは自動適用されない

  • 自動承認には 21H2 + 1903 and later の両方が必要

  • Windows Server 2016 / 2019 は OS 本体カテゴリに MSRT が含まれるため自動適用される

  • Windows Server 2022 を WSUS 管理する場合は、必ず自動承認設定を見直すことが重要

Last modified: 2026-09-12

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