JupyterLabで仮想環境を作成・使用する方法
この記事では、AnacondaやMinicondaを使用してJupyterLabで仮想環境を構築し、その環境をJupyterのカーネルとして追加する具体的な手順を解説します。
目次
仮想環境の利点
仮想環境を利用することで、以下のメリットがあります:
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依存性の分離
プロジェクトごとに異なるライブラリやバージョンを管理できるため、環境の競合を防げます。 -
柔軟な環境切り替え
conda activate
コマンドを使えば、プロジェクトに応じて環境を瞬時に切り替えられます。 -
システム環境の保護
仮想環境内で作業するため、OS全体の設定に影響を与えません。 -
再現性の確保
他のユーザーと環境を共有し、コードを再現可能な状態で提供できます。 -
Python以外のパッケージ管理
CondaではCライブラリやデータベースツールなども簡単にインストールできます。
Condaを使う前に準備すべきこと
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AnacondaまたはMinicondaのインストール
公式サイト(Anacondaのダウンロードページ)から、OSに適したバージョンをインストールしてください。 -
Condaの動作確認
ターミナルで以下のコマンドを実行し、インストールが成功しているか確認します:conda --version
結果例:
conda 4.12.0
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OSごとの注意点
WindowsとmacOS/Linuxでコマンドの形式が異なる場合があります。本記事ではconda activate
を基準に説明します。
仮想環境の作成・管理コマンド
環境の新規作成
conda create -n myenv python=3.11
例: myenv
という名前でPython 3.11を使用する仮想環境を作成します。
環境の複製
conda create --name myenv_copy --clone myenv
結果例: myenv
を複製し、myenv_copy
が作成されます。
環境の削除
conda remove --name myenv --all
結果例: 環境myenv
が削除されます。
基本的な操作コマンド
環境を有効化する
conda activate myenv
結果例: myenv
がアクティブになり、ターミナルの先頭に(myenv)
が表示されます。
環境を無効化する
conda deactivate
結果例: 環境から抜け、ベース環境に戻ります。
環境一覧の確認
conda env list
結果例:
# conda environments:
base * /path/to/conda
myenv /path/to/conda/envs/myenv
myenv_copy /path/to/conda/envs/myenv_copy
JupyterLabでの設定方法
仮想環境をカーネルとして追加する
conda install -n myenv ipykernel
python -m ipykernel install --name myenv --display-name "Python 3.11 (myenv)"
結果: JupyterLabで「Python 3.11 (myenv)」というカーネルが選択可能になります。
カーネル一覧を確認する
jupyter kernelspec list
結果例:
Available kernels:
python3 /usr/local/share/jupyter/kernels/python3
myenv /path/to/conda/envs/myenv/share/jupyter/kernels/myenv