Amazon Personalizeの使い方や事例を紹介【ハンズオンあり】


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近年機械学習は多くの業界や分野で研究・実用化が進められています。AWSにも機械学習とAI関連のサービスを提供しており、ユーザのニーズに合わせて十数種類の機械学習関連サービスがあります。

 

今回紹介する"Amazon Personalize"は機械学習を使用したサービスで、ユーザデータを基に個別のレコメンデーションを提供するサービスです。

 

この記事では、Amazon Personalizeの概要や事例、使い方を紹介していきます。

 

 

Amazon Personalizeってなに?

■Amazon Personalizeとは

まずは"Amazon Personalize"の概要について説明していきますね。
以下の文章は公式ドキュメントからの引用です。

Amazon Personalize はフルマネージド型の機械学習サービスで、お客様のデータを使用してユーザーへのおすすめ商品を生成します。また、特定のアイテムやアイテムメタデータに対するユーザーの親近感に基づいてユーザーセグメントを生成することもできます。

 

"Amazon Personalize"はユーザーの行動履歴データやパーソナルデータをもとに、その人に合った"オススメ"を提供するサービスです。

 

動画配信サービス"Netflix"であれば"あなたにおすすめの映画やドラマ"、AmazonのようなEコマースであれば"あなたへのおすすめ商品"をユーザーごとにパーソナライズされたコンテンツを提供することができます。

 

 

●Amazon Personalize特徴やメリット

AWSには機械学習サービスがいくつかあり、またAWSに限らずレコメンドサービスはたくさんあります。例えば、ByteDanceから誕生したBytePlusですね。Amazon Personalizeの特徴は何でしょうか。

 

特徴

  1. フルマネージド: AWSの多くのサービスがフルマネージドで利用可能です。Amazon Personalizeもフルマネージドサービスでインフラ管理やサーバのデプロイ・運用をする必要がありません。

  2. プライベート: 一番重要な特徴で、Amazon Personalizeで利用するデータは専用の環境で処理され、他のAWSアカウントと共有されることはありません。

    Amazon Personalize モデルはすべてお客様のデータセットに固有であり、他の AWS アカウントや Amazon Retail、Amazon Prime、その他のビジネスユニットと共有されることはありません。AWS公式webサイトより

  3. AutoML: Amazon Personalizeは機械学習について知らなくても利用することができます。それはAutoML機能のおかげです。Amazon Personalizeは自動でマシーンラーニングし、データセットを適切に処理してくれます。AWS公式webサイトより

 

 

Amazon Personalizeを使用するメリットについても説明しておきますね。

 

メリット

  1. 独自のレコメンデーションアルゴリズムが不要: Amazon Personalizeはショッピングサイト"Amazon.com"での20年以上のパーソナライゼーション経験を基に開発されており、独自の推薦アルゴリズムを開発する必要がなく、高度な推薦機能を容易に導入できます。
    みなさんがAmazonを利用する際に、おすすめ商品が表示されますよね。それです。

  2. リアルタイムレコメンデーション: ユーザーの最新の行動や嗜好に応じて、リアルタイムでの推薦が可能です。
    イベントトラッカーやGetRecommendations APIを使用して、リアルタイムのユーザー行動に基づいた推薦を取得し、アプリケーションに組み込むことができます。

  3. 柔軟な統合性: Amazon PersonalizeはAPIを通じて他のAWSサービスやアプリケーションと容易に統合できるため、既存のシステムやプロセスに迅速に組み込むことが可能です。
    例えば、Amazon S3, AWS Lambda, Amazon Kinesis などの他のAWSサービスと簡単に統合でき、データの取り込み、前処理、リアルタイムのフィードバック収集などのワークフローを効率的に構築できます。

 

 

●Amazon Personalizeの料金について

Amazon Personalizeは近年話題の機械学習サービスです。使用するためには、結構な料金がかかりそうですよね。Amazon Personalizeの料金について、説明していきます。

 

  • データ取り込みコスト: 1 GB あたり 0.05 USD

  • トレーニングコスト: トレーニング 1 時間あたり 0.24 USD

  • レコメンデーション (推論)

リアルタイムレコメンデーション 料金
対象リージョンごとに最初の 20,000 TPS-時間/月 0.20 USD/TPS-時間
対象リージョンごとに次の 180,000 TPS-時間/月 0.10 USD/TPS-時間
対象リージョンごとに 200,000 TPS-時間/月以上 0.05 USD/TPS-時間
  • バッチレコメンデーション
バッチレコメンデーション レコメンデーション 1,000 件あたりの料金
対象リージョンごとに最初の 2,000 万件のレコメンデーション/月 0.067 USD
対象リージョンごとに次の 1 億 8,000 万件のレコメンデーション/月 0.058 USD
対象リージョンごとに 2 億件以上のレコメンデーション/月 0.050 USD

 

 

メルマガなどで定期的に配信したい場合、"カスタムバッチのレコメンデーション"を使用するかと思います。その場合のPersonalize の使用料金は以下のようになります。AWS公式ドキュメント

 

データの処理およびストレージの料金 = 10 GB x 0.05 USD/GB = 0.50 USD
ソリューショントレーニングの料金 = トレーニング 50 時間 x 0.24 USD/トレーニング 1 時間 = 12 USD
推論の料金 = 100 万ユーザー
x 0.067 USD/1,000 レコメンデーション = 67 USD
総費用 = 0.50 USD + 12 USD + 67 USD = 79.50 USD

 

 

■Amazon Personalize用語集

Amazon Personalizeを利用するうえで知っておくべき用語を紹介します。

 

用語 意味
データセットグループ 関連するデータセットのコンテナ。データセットグループはユーザーデータ、アイテムデータ、インタラクションデータなどのでデータセットを含むことができます。
データセット 特定のタイプのデータを格納するためのスキーマとデータ。例えば、ユーザーデータセット、アイテムデータセット、インタラクションデータセットなどがあります。
イベントトラッカー リアルタイムのユーザー活動データをAmazon Personalizeに送信するためのエンドポイントです。
インタラクション ユーザーとアイテムの間の活動やイベント、行動履歴です。クリック、購入、評価などの行動が含まれます。
レシピ Amazon Personalizeで使用される気化器学習アルドリズムまたはアルゴリズムのバリエーションのことです。レシピは特定のタイプのレコメンデーションソリューションを生成するための指示を提供します。
ソリューション 特定のレシピを使用してトレーニングされたモデル。ソリューションはソリューションバージョンを持つことができます。
ソリューションバージョン ソリューションをトレーニングするたびに作成される特定のモデルのインスタンス。
キャンペーン アクティブなソリューションバージョン。キャンペーンを使用して、アプリケーションからリアルタイムの推薦を取得することができます。
フィルター キャンペーンで提供される推薦を絞り込むための条件のことです。

 

 

ほかにもありますので、AWS公式ドキュメントを確認ください。

 

 

■Amazon Personalizeのユースケース

Amazon Personalizeはユーザデータを基に個別のレコメンデーションを提供するサービスです。イメージがわきづらいかと思いますので、ユースケースを紹介します。

 

【ユースケース1:Eコマースでの商品おすすめ

  • シチュエーション: オンラインショッピングサイトがユーザーの閲覧履歴や購入履歴を基に、個々のユーザーに合わせた商品を推薦したい。
  • 実装: Amazon Personalizeのインタラクションデータセットを使用して、ユーザーの閲覧や購入履歴を取り込み、キャンペーンを作成。ユーザーがサイトを閲覧する際にリアルタイムでそのキャンペーンから推薦を取得し、サイト上で表示。

 

【ユースケース2:動画ストリーミングサービスのコンテンツおすすめ

  • シチュエーション: 動画ストリーミングプラットフォームが、ユーザーの過去の視聴履歴や好みに基づいて、次に観るべき映画やドラマを推薦したい
  • 実装: Amazon Personalizeを使用して、ユーザーの視聴履歴データを学習。キャンペーンを作成し、ユーザーがサービスを利用する際に、トップページや「おすすめコンテンツ」セクションにリアルタイムで推薦を表示。

 

【ユースケース3:ニュースポータルサイトの記事おすすめ

  • シチュエーション: ニュースサイトが、読者の関心や過去の閲覧履歴に基づいて、関連する記事や注目の記事を推薦したい
  • 実装: Amazon Personalizeを利用して、ユーザーの記事閲覧履歴やクリックデータを学習。その情報を基にキャンペーンを作成し、サイトの各ページで関連記事やおすすめ記事としてリアルタイムで推薦を表示。

 

 

■Amazon Personalizeを使ってみる

Amazon Personalizeは実際に触ってみたほうがわかりやすいです。

 

↓ハンズオンのボリュームが大きくなったので、別記事として用意しました。

https://cloud5.jp/saitou-amazonpersonalize-handson/

 

ハンズオンをやってみると、Amazon Personalizeの基本的な動きがわかります。ぜひ試してみてください。

 

 

まとめ:Amazon Personalizeの使い方や事例を紹介

機械学習やAIサービスは近年ますます注目されている技術です。AWSには多くの機械学習・AIサービスがあり、用途に合わせて選択するのがいいかと思います。

 

今回紹介した"Amazon Personalize"は、Amazonが20年以上かけて蓄積してきたデータをもとに提供されているサービスで、利用者は機械学習についての深い知識を必要としません。無料枠も用意されているので、機械学習のエントリーとしてAmazon Perosonalizeをぜひ使ってみてください。

 

 

参考リンク:AWS公式ドキュメント
 

 

↓ほかの協栄情報メンバーも機械学習・AIに関する記事を公開しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

■Amazon CodeWhispererを試してみた(dapeng)
https://cloud5.jp/amazon-codewhisperer/

 

 

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Last modified: 2024-01-23

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