Linux Professional Institute Certification(LPIC)の認定資格は、Linux Professional Institute (LPI)によって運営されている世界最大のLinux技術者の認定資格ですよね。
今回わたしは"202試験が難しい"と噂のLPIC-2に挑戦し、なんとか合格することができました。
LPIC-2を取得することで、社内の評価が高まったり、就職・転職活動をする際に有利に働いたりします。
LPIC-2は中小規模の混合ネットワークを管理する能力を検証する認定で、Linuxを利用した高度なシステム管理を行うことができたり、DHCP、DNS、SSH、Webサーバ、FTP、NFS、Sambaを使ったファイルサーバ、メール配信など、基本的なネットワークサービスのインストールと構成ができたりすることを証明する認定です。
今回の記事ではわたしがLPIC-2(201-450, 202-450)取得のために行った、勉強方法や勉強時間、受けた感想を紹介します。
【この記事はこんな方におすすめ】
- LPIC Level 2を目指している人
- Linuxスキルを向上させたいITエンジニア
- 未経験からインフラエンジニアを目指している人
LPIC-2に合格した
わたしは2024年11月に201-450に合格、2025年1月に202-450に合格したことで、2025年1月にLPIC-2の認定を取得しました。
【201試験結果】
【202試験結果】
■LPIC-2とは
まずは、"LPIC-2"について紹介します。
LPIC-2は、Linux Professional Institute(LPI)のマルチレベルプロフェッショナル認定プログラムの2番目の認定です。LPIC-2は、中小規模の混合ネットワークを管理する能力を検証します。
試験範囲 | 201-450, 202-450 |
---|---|
受験資格 | LPIC-2認定を受けるためには、アクティブなLPIC-1認定を取得している必要があります。 |
認定要件 | 201試験と 202試験の両方に合格すること。各90分の試験は、60の多肢選択問題と穴埋め問題で構成されています。 |
有効期間 | 再受験またはより高いレベルを達成しない限り5年。 |
費用 | 201: ¥18,000、202: ¥18,000 |
●LPIC-2試験201試験範囲
- 容量計画
- Linuxカーネル
- システムスタートアップ
- ファイルシステムとデバイス
- ストレージデバイスのアドミニストレーション
- ネットワーク構成
- システムメンテナンス
●LPIC-2試験201試験範囲
- ドメインネームサーバー
- ウェブサービス
- ファイル共有
- ネットワーククライアント管理
- 電子メールサービス
- システムセキュリティ
LPIC-2についてさらに詳しく知りたい方はこちら
■受けてみた感想
"LPIC-2"は今まで受けてきた試験の中でも、難易度が高いと感じました。受けてみた感想がいくつかあるので紹介します。
- 設定ファイル名やパラメータの名称の書き方が、サービスによって微妙に違って混乱する
例えば、Apacheのメイン設定ファイルであるhttpd.comfでは、 " ServerRoot "や" LogLevel "など、"アッパーキャメルケース"で書かれていますが、Nginxのメイン設定ファイルであるnginx.confでは単語をアンダースコア( _ )で区切る"スネークケース"で書かれています。
この表記スタイルの違いを覚えるのに、だいぶ苦労しました。
- 202から本気
LPIC-2には201と202の試験が用意されていて、201はLPIC-1を少し難しくした難易度でした。しかし、202は別格で、暗記が苦手な人はかなり厳しい試験に思えます。
前述した表記スタイルもそうですが、さまざまなサービスが出てきて、それらの設定ファイルやコマンドが微妙に違うので、とにかく頑張って覚えるしかなかったです。
- 全範囲勉強しておいてよかった
LPIC-2の試験範囲はLinuxの全領域に匹敵する範囲です。しかし、当日出題される問題の範囲は狭いです。
例えば、202の試験範囲であるWebサービス関連だと、ApacheやNginx,、Squidが試験対象ですが、実際に当日出題されるのはApacheばかりだったり、Squidばかりだったりします。
Squidは教材では数ページしか取り上げられていないため、Apacheばかり勉強していた場合、試験では全然回答できないかと思います。
実際はわたしはメールサービスに関して、Postfixばかり勉強していて、DovecotやSieveはさらりとしか勉強していませんでした。その結果が202の試験結果に如実に表れています。
電子メールサービスだけ異様に低いです。。。
■使用した教材
わたしがLPIC-2合格のために使用した教材は以下の3つです。
●「LPICレベル2: Version4.5対応」
体系的な学習に最適で、公式試験範囲に準拠しています。
●「Linux教科書 LPICレベル2 スピードマスター問題集 Version4.5対応」
問題演習に最適で、試験に直結する内容です。
●ping-t
ping-tはリアルな試験形式の問題が豊富で、解説も充実しています。
■勉強期間とスケジュール
わたしがLPIC-2合格のために勉強した時間と期間は以下の通りです。
201 | 202 | |
---|---|---|
学習時間(一日) | 1時間 | 1時間 |
学習時間(計) | 60時間 | 80時間 |
勉強期間 | 2か月 | 2か月半 |
スケジュールとしましては、
- 1カ月半
- 書籍2冊を並行して読み進める。
- 残り2週間
- ping-tの問題600問をひたすら解く。
■勉強方法のポイント
わたしがLPIC-2合格した勉強方法のポイントは以下の通りです。
- 書籍を使った基礎固め
LPIC-2受験の目的にもよりますが、知識をつけたい場合は章単位で繰り返し読み、合わせて白本で問題演習を実施する。
- 問題演習で知識を定着
ping-tを活用して試験の形式や時間配分に慣れ、一問あたりの瞬発力を上げる。
■合格のためのアドバイス
さいごに実際に受験してみて、次受けるならこうするというアドバイスを紹介します。
- 「Linux教科書 LPICレベル2 スピードマスター問題集 Version4.5対応」は3周やれ
- パラメータごとではなく、サービスごとに表記スタイルをまとめろ
おわりに
わたしは業務でOSの設計をしていて、もっとLinuxについて理解したいと思い受験しました。
なんとか合格しましたが、得た知識をどう業務に活かしていくかを考え、また更なるレベルアップをするためにいつLPIC-3に挑戦するかをこれから考えていきたいです。
参考リンク:Linux Professional Institute LPIC-2
ほかの協栄情報メンバーも認定試験についての記事を公開しています。ぜひ参考にしてみてください。