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AWSサービス=従量課金のイメージがありますが、一定期間の使用分を予約購入し、大幅な割引を得ることができます。
代表的なのが、AmazonEC2リザーブドインスタンスです。リザーブドインスタンスはオンデマンドインスタンスの料金と比較して、AmazonEC2の料金を大幅に節約することができます。
しかし、割引を受けるには、インスタンスタイプやリージョン、プラットフォームの属性が一致しているなどの注意点があるんですよね。
たまたまリザーブドインスタンスを購入する機会がありましたので、事前に調査した内容や実際の購入手順を紹介します。
AmazonEC2のリザーブドインスタンスを購入してみた
AmazonEC2リザーブドインスタンスの購入手順を紹介する前に、リザーブドインスタンスについて説明します。以下の説明に関しては、AWS公式ドキュメントから抜粋です。
■リザーブドインスタンスとは?
AmazonEC2リザーブドインスタンス(RI)は、オンデマンド料金と比較して大幅な割引(最大72%)を提供し、特定のアベイラビリティゾーンで使用する場合にキャパシティ予約を提供します。
- オンデマンドインスタンスに比べて大幅な割引が適用されます。
- AWS リージョンにおけるすべてのアベイラビリティーゾーンに使用を適用できます。または、特定のアベイラビリティーゾーンが指定されている場合は、容量を予約できます。
- 購入時点におけるお支払いの柔軟性を高めるために、3 種類の前払いの支払いオプションが提供されています。
- 一括請求 (コンソリデーティッドビリング) ファミリーで、複数のアカウント間で共有できます。
例えば、東京リージョンでLinuxOS、t3.largeを1台分オンデマンドインスタンスで稼働した場合と、リザーブドインスタンスを購入した場合を比較したら、月額換算で、
●オンデマンドインスタンス(毎月):79.42USD
↓
●リザーブドインスタンス(月額換算):50.01USD
38%の割引が実現でき、年換算で約5万円節約することができます。
■リザーブドインスタンスの属性について
リザーブドインスタンスの料金を決定する要因は主に、インスタンスの属性やコミットメント期間、支払いオプション、提供クラスの4つです。
【①インスタンスの属性】
インスタンス属性には以下の4つが関係します。
- インスタンスタイプ:たとえば、m4.large。これは、インスタンスファミリー(m4など)とインスタンスサイズ (largeなど)で構成されます。
- リージョン:リザーブドインスタンスが購入されているリージョンです。
- テナンシー:インスタンスが共有 (デフォルト)、または単一のテナンシー(専用)のハードウェアで実行されるかです。
- プラットフォーム:オペレーティングシステム。たとえば、Linux/UNIX、SUSE Linux、Red Hat Enterprise Linux、Microsoft Windows Server、Microsoft SQL Serverです。
【②コミットメント期間】
1年あるいは3年の期間で、リザーブドインスタンスを購入することができます。3年のコミットメント期間には大幅な割引が提供されます。
- 1年 :1年は31536000秒(365日)として定義されます。
- 3年 :3年は94608000秒(1095日)として定義されます。
【③支払いオプション】
リザーブドインスタンスでは次の支払いオプションが用意されています。
- すべて前払い(All Upfront):期間の開始時に全額が支払われ、使用時間数に関係なく、残りの期間にその他のコストや追加時間課金は生じません。
- 一部前払い(Partial Upfront):料金の一部を前払いする必要があり、期間内の残りの時間は、リザーブドインスタンスが使用されたどうかにかかわらず、割引された時間料金で請求されます。
- 前払いなし(No Upfront):リザーブドインスタンスが使用されたどうかにかかわらず、期間内のすべての時間は割引時間料金での請求となります。前払い料金は必要ではありません。
【④提供クラス】
提供クラスにはスタンダードとコンバーティブルの2つのクラスがあります。コンバーティブルリザーブドインスタンスは、1 つ以上の別の コンバーティブルリザーブドインスタンス の コンバーティブルリザーブドインスタンス に交換することもできます。
- スタンダード: 最大の割引を提供しますが、変更のみを行うことができます。スタンダードリザーブドインスタンスは交換できません。
- コンバーティブル: スタンダードリザーブドインスタンスより少ない割引ですが、異なるインスタンス属性を使用する別のコンバーティブルリザーブドインスタンスと交換できます。交換についてはこちら
特徴 | スタンダード | コンバーティブル |
---|---|---|
期間 | 1 年 (40%)、3 年 (60%) | 1 年 (31%)、3 年 (54%) |
■リザーブドインスタンスの料金割引っていつ反映されるの?
ほぼ即反映されます。今回の購入では、注文してから7分後にはアクティブになっていました。
■リザーブドインスタンスを購入してみる
AmazonEC2リザーブドインスタンスを実際に購入してみます。
まずはリザーブドインスタンスを購入するリージョンで、EC2コンソール画面に行きます。左ペインから、「リザーブドインスタンス」をクリックしてください。
↓購入するリザーブドインスタンスの属性を入力してください。※選択する設定値は何度も確認しましょう。ここで間違えると、割引適用が受けられないかもしれません。
↓入力が終わりましたら、「カートを見る」を押します。
↓最後の確認画面です。もう一度確認しましょう。間違いなければ、「すべて注文」を押しましょう。
↓
↓注文後はステータスが“保留中”になっています。数分後に割引適用を示すアクティブに変わります。
↓注文後すぐに、請求書メールも届きます。
↓
↓状態がアクティブになり、リザーブドインスタンスが適用されました。
購入は以上です。
■リザーブドインスタンスの購入時の注意点
リザーブドインスタンスを購入する際に、いくつか注意点があります。
-
「t2.micro」で注文したけど、「m3.large」を使っていた場合などのインスタンスの属性が違うと、「m3.large」稼働分には割引が適用されません。
-
原則リザーブドインスタンスを購入した後で購入をキャンセルすることはできません。ただし、ユーザーのニーズが変更した場合、リザーブドインスタンスを変更、交換、売却できる場合もあります。売却に関してはこちら
まとめ:AmazonEC2のリザーブドインスタンスを購入してみた
今回の注文では、オンデマンドと比較して35%の割引が実現できました。
現在EC2インスタンスを24時間稼働させていて、今後最低1年間は仕様を変更する予定がない方は、ぜひリザーブドインスタンスの購入を検討してみてください。
もしAWSの利用料金に関してお悩みでしたら、ぜひ一度協栄情報にご相談ください。くわしくはこちら
参考リンク:リザーブドインスタンスの購入
↓ほかの協栄情報メンバーもAmazon EC2に関する記事を公開しています。ぜひ参考にしてみてください。
■EC2インスタンス購入オプション( dapeng)
https://cloud5.jp/ec2-pricing/
■DatadogでEc2を監視してみました。(小林 剛)
https://cloud5.jp/datadog-ec2-monitor/