「Amazon Linux 2023」と「Amazon Linux 2」の違いをざっくり紹介


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2023年3月にLinuxディストリビューション「Amazon Linux 2023」がリリースされました。Amazon Linux 2の後継ですが、様々な点で違いがあり、Amazon Linux 2の感覚で利用すると思いもよらない出来事が起こります。

 

この記事では「Amazon Linux 2023」と「Amazon Linux 2」の違いをザックリ紹介しつつ、「Amazon Linux 2023」を利用してWordPressサイトを構築してみます。

 

 

「Amazon Linux 2023」を見てみよう

■「Amazon Linux 2023」と「Amazon Linux 2」の違い

「Amazon Linux 2023」と「Amazon Linux 2」には挙げるとキリがないくらい違いがあります。今回は業務面で詰まりそうな部分を紹介します。

 

  1. Tera Term(ver4)で接続できない
  2. rsyslogがインストールされていない

 

 

●1,Tera Termで接続できない

Amazon Linux 2023 (AL2023) には、従来のssh-rsaホストキーアルゴリズムを無効にし、削減されたホストキーのセットを生成するデフォルト設定が含まれています。SSHクライアントは rsa-sha2-256またはrsa-sha2-512署名をサポートする必要があります。
 

Tera Termのバージョン4ではrsa-sha2-256またはrsa-sha2-512がサポートされていないため接続できません。

 

接続するには、以下の方法があります。

  • セッションマネージャー
  • Putty
  • Tera Term5

 

Tera Term5はまだアルファ版でテスト中ですので、セッションマネージャーかPuttyを使うことをオススメします。

 

セッションマネージャーの使い方はこちらから

 

 

●2,rsyslog がインストールされていない

rsyslogはLinuxディストリビューションで採用されているログ管理サービスです。ログの監視で以下のログを見ている方もいるかと思います。

 

  • /var/log/messages
  • /var/log/secure

 

しかし、「Amazon Linux 2023」ではrsyslogがインストールされていないので、上記ログが出力されていません。

 

じゃあ、ログサービスはなにを使っているの?

 

Journalが利用されています。

 

Journal は systemd のコンポーネントで、ログファイルの表示および管理を担います。rsyslogd などの従来の syslog デーモンとの並列もしくはその代わりとして使用できます。Journal は、従来のロギングに関連する問題を処理するために開発されました。システムの他の部分と緊密に統合されており、さまざまなロギング技術およびログファイルのアクセス管理をサポートします。RedHatCustomerPortal

 

今まで通りのログを出力したい場合はどうすればいいでしょうか。それは、

 

rsyslogをインストールすることです!
dnf install rsyslog

 

ほかにもまだまだ違いがありますので、後日追記していきます。

 

 

■Amazon Linux 2023を使ってみる

2023年3月にLinuxディストリビューション「Amazon Linux 2023」が正式リリースされました。せっかくなので、使ってみましょう!

 

ということで、WordPressをインストールして、「WordPressへようこそ!」を表示してみます。

 

 

●構築図

saitou_al2023_use構築図

 

 

●前提条件

前提条件は以下の通りです。

 

  • EC2からの通信が許可されているRDS(MySQL)を作成
  • 以下のポリシーが許可されたIAMロールを作成
    AmazonSSMManagedInstanceCore

 

 

●Amazon EC2インスタンス作成

まずは[Amazon Linux 2023]のAMIを利用したEC2インスタンスを起動していきます。

 

 

↓AMIは[Amazon Linux 2023]を選択してください。

 

saitou_al2023_use起動

 

↓前提条件で挙げたIAMロールも起動画面で選択しましょう。

 

saitou_al2023_useインスタンス起動

 

入力が完了しましたら、[インスタンスを起動]をクリックします。

 

 

●EC2インスタンスに接続

起動が完了したら、接続していきます。今回はセッションマネージャーで接続してみましょう。

 

 

↓Amazon EC2コンソール画面で、作成したインスタンスにチェックを入れて[接続]をクリックしてください。

 

saitou_al2023_usewordpressインストール

 

↓[セッションマネージャー]タブを押し、[接続]をクリックします。

 

saitou_al2023_usewordpressインストール

saitou_al2023_usewordpressインストール

 

コマンドラインが表示されましたら、接続成功です。

 

 

●WordPressインストール

EC2インスタンスに接続できましたので、WordPressをインストールしていきます。

 

今回使用するコマンドは以下の通りです。

 

sudo dnf update -y
sudo dnf install -y httpd wget php-mysqlnd httpd php-fpm php-mysqli mariadb105-server php-json php php-devel -y
sudo wget -P /tmp https://wordpress.org/latest.zip
sudo unzip /tmp/latest.zip -d /tmp
sudo mv /tmp/wordpress/* /var/www/html/
sudo rm -rf /tmp/wordpress/ latest.zip
sudo chown -R apache /var/www
sudo chgrp -R apache /var/www
sudo chmod 2775 /var/www
find /var/www -type d -exec sudo chmod 2775 {} \;
find /var/www -type f -exec sudo chmod 0664 {} \;
sudo systemctl start httpd.service
sudo systemctl enable httpd.service

 

 

●WordPressサイトにログイン

さいごにWordPressサイトが構築できているか、ログインして確かめてみましょう。

 

以下のURLをブラウザの検索ウィンドウに入力してください。
http://<EC2インスタンスパブリックIPアドレス>

 

 

saitou_al2023_usewordpressログイン

saitou_al2023_usewordpressログイン

saitou_al2023_usewordpressログイン

saitou_al2023_usewordpressログイン

saitou_al2023_usewordpressログイン

saitou_al2023_usewordpressログイン

saitou_al2023_usewordpressログイン

saitou_al2023_usewordpressログイン

 

WordPressへようこそ!が表示されます。※画像準備中です。

 

 

今回はここまでです。

 

 

 まとめ:「Amazon Linux 2023」と「Amazon Linux 2」の違いをざっくり紹介

「Amazon Linux 2023」はOSとしてやAWSサービスとの連携のために最適化されたLinuxディストリビューションです。

 

今までAmazon Linux 2を利用していて、新たに「Amazon Linux 2023」を利用するといろいろな違いに驚くかと思います。

 

ぜひ試してみください。

 

 

参考リンク:Amazon Linux 2023 とは?,Amazon Linux 2023 での WordPress ブログのホスト

 

 

↓ほかの協栄情報メンバーもEC2に関する記事を公開しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

■【Webサーバーとは?】EC2インスタンスの接続テストで、Apacheを起動していないとどうなるのか(kioka)
https://cloud5.jp/kioka-ec2-apache-test/

 

■【AWS Summit Tokyo 2023】Amazon EC2 のイロハ(Y.TANAKA)
https://cloud5.jp/amazon-ec2-123/

 

■NATインスタンス(EC2)をハンズオン(INAMURA)
https://cloud5.jp/nat-instance/

 

 

Last modified: 2023-05-20

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