Cent OS 7終了に伴う移行先について調査してみた

はじめに

日々の業務お疲れ様です!

表題の通り、CentOSがサポート終了する(2024/06/30)まで2カ月を切りました。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、CentOS Linuxは現在のCentOS Linux7をもって全てのサービスが終了し、後継のリリースもありません。
こうなると、CentOS環境を使用していたプロジェクトは移行先を探す必要があります。

本記事では、CentOS 7の移行先に適しているディストリビューションの調査と、それぞれの特徴を比較してみた結果を記載していきます。

 

■ディストリビューションの候補

今回は以下4つのディストリビューションを候補に挙げて、調査・比較していきます。

※重視される項目や環境によって、適切なディストリビューションは異なりますので
 CentOSからの移行すべてに当てはまる内容ではないこと事前にご了承ください。
 
 ・Amazon Linux 2023
 ・RHEL 9
 ・AlmaLinux 9
 ・Rocky Linux 9

以下に項目ごとにそれぞれのディストリビューションの特徴を調査した結果を記載していきます。

 

■移行・アップグレード方法について

比較対象の項目にはコストなどがありますが、まずは仮に移行するとしてどのような方法で移行するのかを調査し、そこにかかるコストや手間を比較していくのがよいと思います。
ここでは4つのディストリビューションに対して、CentOS 7から移行する際どのような手順になるのかを見ていきます。

🔶Amazon Linux 2023

結論として、CentOS 7→Amazon Linux 2023の移行はAWS公式にもベストプラクティスや移行支援ツール・手順等はなく"非推奨"になります。

どうしてもAmazon Linux 2023へ変更したい場合にはソフトウェアや設定を適宜アップデートしていきながら新規インスタンスの構築による移行とするしか手段がないようです。

(この時点でAmazon Linux 2023への移行は現実的ではないですが念のためこの後の項目も比較してみます。)

 

🔶RHEL 9

CentOS 7からRHEL 9に移行するには、以下の3ステップが必要になります。

【ステップ①】CentOS 7→RHEL 7
【ステップ②】RHEL 7→RHEL 8
【ステップ③】RHEL 8→RHEL 9

【ステップ①】では、CentOSもしくはOracle LinuxをRed Hat Enterprise Linuxへ変換するツールとして提供されている「Convert2RHEL」を使用、
【ステップ②③】では、インプレースアップグレードが可能となっております。

※「Convert2RHEL」を用いてアップグレードする場合、事前にRedHatのサブスクリプションを購入する必要がある

具体的なツールの使用方法や移行手順については下記記事を参考にできるかと思います。

▼「他の Linux ディストリビューションから Red Hat Enterprise Linux に移行する」
https://www.redhat.com/ja/technologies/linux-platforms/enterprise-linux/migration-process/convert2rhel-how-to-convert-from-centos-linux-to-red-hat-enterprise-linux

▼「RHEL 7 から RHEL 8 へのアップグレード」
https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_enterprise_linux/8/html-single/upgrading_from_rhel_7_to_rhel_8/index

 

🔶AlmaLinux 9

CentOS 7からAlmaLinux 9に移行するには、以下の2ステップが必要になります。

【ステップ①】CentOS 7→AlmaLinux8
【ステップ②】AlmaLinux8→AlmaLinux9

先述のRHEL 9へ移行するよりも1ステップ少なく済みますし、下記の公式ページに手順まで記載されています。

移行のしやすさはトップクラスですね。

移行ツールは「elevate」というツールを使用しています。

▼「CentOS 7 から AlmaLinux 9 への変更」
https://wiki.almalinux.org/elevate/ELevating-CentOS7-to-AlmaLinux-9.html#migrate-centos-7-to-almalinux-8

また、弊社社員の方が実際に移行検証した記事も公開されていますので是非参考にしてみてください!

▼「CentOS7からAlmaLinux9へのインプレースアップグレード検証」
https://cloud5.jp/centos7%e3%81%8b%e3%82%89almalinux9%e3%81%b8%e3%81%ae%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%97%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97%e3%82%b0%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%89%e6%a4%9c%e8%a8%bc/#post-title

 

🔶Rocky Linux 9

こちらは、AlmaLinux 9同様に以下の2ステップが必要です。

【ステップ①】CentOS 7→RockyLinux8
【ステップ②】RockyLinux8→RockyLinux9

Rocky Linux9については公式ページに移行の手順等は記載されておらず、もし手順を見たい場合は

他の方々が移行されているブログ記事を参考にするか、またはAlma Linux公式ページに乗っている手順を参考に実施することもできます。

※今回は手順については割愛しますので、ご興味がある方は実施してみてください!

 

■互換性について

🔶Amazon Linux 2023

Amazon Linux 2023についてはベースOSがFedoraのため、互換性は低下してしまっています。

 

🔶RHEL 9

CentOS Linux はもともとRHELのソースから派生していますので、互換性は高いといえます。

 

🔶AlmaLinux 9

AlmaLinux OSは、以下公式サイトに「AlmaLinux OSはRHELとバイナリ互換性があります」との記載がありますので、互換性については高いといえます。

▼「AlmaLinux」
https://almalinux.org/

 

🔶Rocky Linux 9

Rocky Linuxについては、以下公式サイトに「RHELとバグを含める100%の互換性がある」と記載されておりますので、互換性は最も高いといってよいでしょう。

▼「Rocky Linux」
https://rockylinux.org/ja

 

■OSのコストについて

本記事で取り扱っている4つのディストリビューションについては、RHEL以外無償で利用可能となっています。

RHELについては、年間で十数万円のコストがかってしまうことがわかっており、コスト面でみるとややデメリットになってしまいます。

ただ、その分長期に充実したサポートが受けられるので有料でも高度なサポートが必要な場合ですと全然検討の余地はあります。

 

■サポートについて

🔶Amazon Linux 2023

Amazon Linux 2023については、基本的には「AWS Support(developerプラン以上)」で問い合わせが可能ですが、
問い合わせ後に調査頂いた結果、原因がサードパーティソフトウェアの問題と判明した場合はdeveloperプランのサポート対象外となってしまいますので
「AWS Support」をbusinessプラン以上に変更する必要があります。

どのソフトウェアがサードパーティに該当するのかは、下記AWS公式ドキュメントで確認可能です。

▼「プレミアムサポートのよくある質問」
https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/faqs/#Third-party_software

 

🔶RHEL 9

RHEL 9は、「AWS Support(businessプラン以上)」で問い合わせが可能です。

 

🔶AlmaLinux 9

Alma Linuxのサポートについては、公式が無償で提供しているものはありません。
公式ページ内のフォーラムサイトであれば無料で使用することが可能です。

有償のサポートとなると、「サイバートラスト」社が正式にAlma Linux 9のサポートを実施しているのでそちらを使用するのがおすすめです。

▼「サイバートラスト」
https://www.cybertrust.co.jp/almalinux/

 

🔶Rocky Linux 9

Rocky LInuxについても、公式かつ無料となると公式ページ内のフォーラムサイトのみの使用になっています。
有償のサポートは、Rocky Linuxの場合「CIQ」社が正式サポートとしてサービスを展開していますのでそちらを利用することになります。

▼「CIQ」
https://ciq.com/products/rocky-linux/

※ちなみに、EC2インスタンスにOSを導入後に発生した基盤側の問題 (ハードウェアトラブルやネットワーク障害など)については、
 インスタンス上の OS の種類に関わらず、AWS Supportを使用することができます。

 そのため、AlmaLinux 及び、Rockey Linux を導入した EC2 インスタンスでも、基盤側の問題へはAWS Supportを使用することができます。

 

■比較

今回の調査結果を比較すると以下の表になりました。

※環境や要件によって判断材料は異なりますので、あくまでご参考までに!

サポートに関しては、どのディストリビューションも充実しているためご利用したい期間やサービスによって有効なサービスをご利用ください。

 

移行・アップグレード方法 互換性 OSのコスト
Amazon Linux 2023 ×
RHEL 9
AlmaLinux 9
Rocky Linux 9

 

まとめ

今回取り上げたディストリビューションにはそれぞれメリットデメリットがありますので、使用される環境や予算等を考慮して最善の選択ができるサポートにすこしでも活用いただけたらと思います!

Last modified: 2024-05-15

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