みなさん、こんにちは!クラウド事業部の田中(博)です。
9月27日(土)、第21回となる社内勉強会が開催されました!
僭越ながら主宰としてこの勉強会に関わっていますが、あっという間に開催回数も20回を超え、大変感慨深いです。
多忙な業務の合間を縫って参画してくれている運営メンバー、参加してくれている社内メンバーには感謝が尽きません。
早速ですが、今回は3名によるLT(ライトニングトーク)大会です。
コミュニケーションミスでアジェンダがなかったり、ファシリテーターの到着が遅れたりと、開始早々からカオスな雰囲気が漂っていましたが、そんな状況をものともしない濃厚な発表の数々で、今回も非常に学びの多い時間となりました。
当日の様子を簡単にご紹介します!
1本目:稲村さん「AWS Update 0827-0905」
※稲村さんはJAWSのイベントにも参加予定とのことで、途中退席。LT中に撮影できなかった分、去り際に撮らせていただきました。
トップバッターは、我らがAWSマスターの稲村さん。直近のAWSアップデートの中から、特にエンジニアとして押さえておきたいポイントを解説してくれました。
数あるアップデートの中でも、個人的に特に興味深かったのは Amazon CloudWatch Synthetics の機能強化(対象ブラウザとしてFireFoxを追加)です。
これまでにもCanary(ユーザー操作を模倣するスクリプト)のスケジュール実行に自動リトライオプションが追加されたり、安全に更新するためのドライラン機能が追加されたり、堅牢な外形監視を実現するためのアップデートが追加されていますね!
障害検知の精度向上や運用負荷の軽減に繋がりそうで、ぜひ試してみたいと感じました。
他にもAmazon BedrockにおけるClaudeのキャッシュ指定のアップデートなど、知っておくとコスト最適化やパフォーマンスチューニングに役立つ情報が満載でした!
2本目:内田さん「DuckDBでできる!データ分析入門」
続いては、AI技術のトレンドウォッチャー、内田さんによる「DuckDB」の紹介です。
「DuckDB、名前は聞いたことあるけど…?」という方も多いのではないでしょうか。
DuckDBは、ざっくり言うと 「分析(OLAP)用途に特化した、組み込み型の高速なデータベース」 です。PythonのPandasライブラリのように、アプリケーションに直接組み込んで手軽に利用できるのが特徴です。
よく比較されるSQLiteはトランザクション処理(OLTP)が得意ですが、DuckDBは大量データの集計や結合といった分析処理が爆速です。列指向ストアという仕組みにより、大規模なCSVやParquetファイルをSQLでサクサク扱えるのがうれしいポイントです。
「手元のPCで、Pandasだとメモリが厳しくなってきた数GB〜数十GBのデータをSQLで高速に分析したい」といったシーンで、強力な選択肢になりそうです。ETL処理の新しい武器として、プロジェクトへの導入を検討したくなりました。
3本目:植木さん「LLMとSLM調べてみた」
最後は、最近生成AIをフル活用して勉強会運営を支えてくれている植木さんによる「SLM vs LLM」というテーマの発表でした。
LLM(大規模言語モデル)はすっかりお馴染みになりましたが、最近では SLM(小規模言語モデル) が注目を集めているそうです。
SLMは、その名の通りLLMよりもモデルサイズが小さく、軽量なのが最大の特徴。これにより、以下のようなメリットが生まれます。
- 低コスト・高速: 必要な計算リソースが少ないため、運用コストを抑えられ、応答も速い。
- 特定タスク特化: 特定のドメイン(医療、金融、法務など)のデータに特化して学習させることで、その分野ではLLMを上回る精度を発揮することも。
- セキュリティ: クラウドAPIを介さず、ローカル環境やオンプレミス環境で動作させやすいため、機密情報の漏洩リスクを低減できる。
具体的なユースケースとしては、「社内ドキュメントに関する問い合わせ応答チャットボット」や「特定のコーディング規約に沿ったコード生成アシスタント」などが考えられそうです。すべてのタスクを巨大なLLMに任せるのではなく、用途に応じてSLMを使い分ける時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。
まとめ
今回は、開始こそどうなることかと思いましたが、蓋を開けてみれば各発表者の豊かな知識と探求心に引き込まれる、非常に有意義な勉強会でした。
時間が余るのではないかという当初の懸念を軽々と吹き飛ばす、力の入った発表ばかりで圧倒されました(私の心もタイムテーブルも)。
予定調和ではないカオスな進行だったからこそ、かえって質疑応答が盛り上がり、それぞれのテーマについて深く掘り下げられたように感じます!
登壇者の皆さん、素晴らしい発表をありがとうございました!
次回の勉強会も楽しみにしています!