AWSを中心にインフラ構築や運用を行っているインフラエンジニアの齊藤です。
2026年06月25日〜06月26日に、幕張メッセで、AWS Summit Japanが開催されました。
AWS Summit Japanは、クラウドとAIイノベーションの最前線を体験できる2日間の無料イベントです。
最新のクラウドや生成AIサービスの発表に加え、技術セッションを通じて、日本中のエンジニアや企業が集まり、AWSの最新動向とベストプラクティスを学び・共有するイベントです。
イベントカタログを見ると、「AWS Summit Japan 2026」では、260以上のセッションが用意されていたようです。
また、2026年07月現在では、どなたでもオンデマンド視聴ができるように公開されています。
しかし、さすがにすべてを見ることはできないですよね。
運用エンジニア目線で今押さえるべきアップデートに絞って4本を厳選しました。
今回の記事では運用エンジニア目線で今押さえるべきアップデートに絞って、「AWS Summit Japan 2026」おすすめセッション4選を紹介します。
"AWS Summit Japan 2026"セッション4選
「AWS Summit Japan 2026」では数多くの技術セッションが用意されています。
AWS運用エンジニアとして、以下の選定基準でおすすめセッションを選びました。
- 今までのプロジェクトで必ず使っている既存サービスのうち、2026年時点の最新情報が紹介されている
- 現場の運用で活かせそう or 提案できそう
- 単純におもしろそう
以上の選定基準から、つぎの4つのセッションを紹介します。
- ランサムウェアに対して最優先で取るべき AWS の復旧対策
- Amazon S3 で切り開くクラウドストレージの未来
- 一歩先を行く:効果的な脆弱性管理のためのスマート戦略
- 大規模障害から考える、AWS 上で備えるべきレジリエンスの実践
■1. ランサムウェアに対して最優先で取るべき AWS の復旧対策
(1)セッション概要
近年、ランサムウェア攻撃による被害が深刻化し、社会的な注目が高まっています。AWS の環境においても攻撃への対策を行った上で、万が一の被害に備えた復旧対策を取ることができます。
高度化する攻撃に対して、どこまで対策を講じるべきかの課題を感じている方も多いのではないでしょうか。
本セッションではランサムウェアからの復旧対策が必須となるその背景と、保護するビジネスの価値に合わせた復旧戦略、AWS のストレージサービスを軸にしたすぐに始められる対策をご紹介します。
●セッションスピーカー
向井 稔
ソリューションアーキテクト
(2)運用エンジニア視点の推しポイント
このセッションの推しポイントは、ランサムウェア対策だけではなく、"被害を受けたあとにどう復旧するか"という運用目線で整理できる点です。
日々の運用では、バックアップ取得の設定確認や世代管理は行っていても、
- 実際に復元できるのか
- どのデータをどの順番で戻すのか
まで継続的に確認できているケースは意外と少ないのではないでしょうか。
本セッションでは、AWS環境におけるデータ保護の考え方が整理されており、どのサービスで何を守るべきかを見直すきっかけになります。
特に、AWS Backupの自動復元テストは、バックアップ運用を一段階引き上げる機能として印象に残りました。
運用エンジニアとして、既存環境のバックアップ設計や復旧手順を見直すうえで、実務に直結するセッションだと感じました。
セッションを見たい方は、こちら
■2. Amazon S3 で切り開くクラウドストレージの未来
(1)セッション概要
Amazon S3 は、事実上あらゆるユースケースにおいて、データを保存、管理、分析、保護できるよう、継続的にイノベーションを創出しています。
最新のブレークスルーとして、フルマネージドな Apache Iceberg テーブルをサポートする Amazon S3 Tables、ベクトル検索をフルマネージドで実現する Amazon S3 Vectors、リアルタイムでのデータ検出を可能にする Amazon S3 Metadata、低レイテンシを実現する Amazon S3 Express One Zone を提供しています。
本セッションでは、これらのイノベーションがパフォーマンスの最適化、運用の効率化、分析・機械学習・HPC におけるコスト最適化にどのように貢献するかをご紹介します。
●セッションスピーカー
佐藤 真也
ソリューションアーキテクト
(2)運用エンジニア視点の推しポイント
このセッションの推しポイントは、S3の今をまとめて把握できる点です。
Amazon S3は、単にオブジェクトを保存するストレージというイメージが強いサービスです。しかし現在は、S3 Tables、S3 Vectors、S3 Metadata、S3 Express One Zoneなど、データ管理・分析・機械学習・低レイテンシ用途まで広がっています。
運用エンジニアの立場では、S3を利用する機会は非常に多いです。ログ保管、バックアップデータの保存、レポート出力先、システム間連携など、さまざまな場面でS3が登場します。
そのため、S3の最新機能を知っておくことは、単なる知識のアップデートにとどまらず、今後の設計改善やコスト最適化の提案にもつながります。
S3といえば標準ストレージという理解から一歩進んで、用途に応じてどのS3関連機能を選ぶべきかを考えるきっかけになるセッションだと感じました。
セッションを見たい方は、こちら
■3. 一歩先を行く:効果的な脆弱性管理のためのスマート戦略
(1)セッション概要
従来型の脆弱性管理では、定期スキャンによる検出の遅れ、動的リソースの把握困難、膨大な検出結果の優先順位付けといった課題がつきものでした。
本セッションでは、これらの課題を解決する Amazon Inspector を中心に、効果的な脆弱性管理を実現するスマートな戦略を解説します。組織全体でのニアリアルタイム継続スキャン、独自スコアリングによる優先順位付け、EC2・Lambda・ECR それぞれのスキャン機能の活用方法をデモを交えてご紹介します。
さらに、GitHub/GitLab とネイティブ統合するコードセキュリティ機能により、開発ライフサイクルの早期段階で脆弱性を検出する「シフトレフト」戦略についても、デモを交えて解説します。
●セッションスピーカー
長谷 有沙
ソリューションアーキテクト
(2)運用エンジニア視点の推しポイント
このセッションの推しポイントは、Amazon Inspectorを中心に、脆弱性管理の現在地をおさらいできる点です。
運用現場では、EC2に対するOSパッチ適用や、ECRイメージの脆弱性確認など、セキュリティに関わる作業が継続的に発生します。一方で、検出された脆弱性の数が多くなると、
- どれを優先して対応すべきか
- 本当に影響があるのか
を判断することが難しくなります。
本セッションでは、Amazon Inspectorによる継続的なスキャン、EC2・Lambda・ECRそれぞれのスキャン機能、優先順位付けの考え方を確認できます。
単に脆弱性を検出するだけではなく、検出結果をどう運用に落とし込むかを考えるうえで参考になります。
また、生成AIの活用が進むことで、開発スピードは大きく向上しています。その一方で、コードや依存ライブラリに含まれるリスクを早い段階で検出する重要性も高まっています。
今後の運用エンジニアにとっても押さえておきたい内容だと感じました。
セッションを見たい方は、こちら
■4. 大規模障害から考える、AWS 上で備えるべきレジリエンスの実践
(1)セッション概要
2025 年 10 月 20 日、大規模なリージョン障害が発生しました。多くの企業が影響を受ける中、 Fidelity Investments は検知から 9 分間で 2,000 のアプリケーションを別リージョンへ移行することに成功しました。
本セッションでは、Amazon DynamoDB の DNS 障害の根本原因分析を起点に AWS の障害検出から軽減までのプロセスと、Five Whys による複数の根本原因の特定や Correction of Errors(COE)プロセスによる組織学習を解説します。
さらに、障害から学んだ教訓を体系化した「 Availability Axioms 」として、リージョンの分離、AZ 障害への自動対応、厳密なテスト、過負荷からの保護という 4 つの基本原則を説明します。
また、Fidelity の実践事例を通じて、Amazon Application Recovery Controller Region switch、AWS Fault Injection Service を活用した日頃のレジリエンステストの重要性を示します。
●セッションスピーカー
猪又 赳彦
ソリューションアーキテクト
(2)運用エンジニア視点の推しポイント
このセッションの推しポイントは、大規模障害に備える考え方を網羅的に見直せる点です。
運用エンジニアにとって、障害対応は避けて通れないテーマです。ただし、障害対応で重要なのは、発生時に手順どおり復旧することだけではありません。
障害が起きたときに何を検知し、どのように判断し、どう復旧し、その後どのように学びを残すかまで含めて考える必要があります。
本セッションでは、大規模障害の事例をもとに、AWS側の障害検出から軽減までのプロセスや、Five Whysによる組織的な学習の考え方が紹介されています。
障害を単なるトラブルとして終わらせるのではなく、次の改善につなげる姿勢は、運用に携わるエンジニアとして非常に参考になりました。
また、リージョンの分離、AZ障害への自動対応、テストといったレジリエンスの原則は、自分たちのシステムが本当に障害に備えられているかを見直す観点になります。
見終わったあとに、運用エンジニアとして普段の設計確認や障害訓練をもっと真剣に考えなければと気持ちが引き締まるセッションでした。
セッションを見たい方は、こちら
まとめ
AWSの運用エンジニア目線でAWS Summit Japanのおすすめセッションを4本紹介しました。
紹介したセッションを見るだけで、設計や運用に活かせそうな情報が得られるはずです。
また、2026年07月05日時点でAWS公式Webサイトにセッションが公開されております。
ぜひこの機会に最新のAWS情報を見てみてください。
参考リンク:AWS Summit Japan 2026
↓ほかの協栄情報メンバーのAWSイベントについての記事を公開しています。ぜひ参考にしてみてください。
■AWS運用エンジニアがオススメする「AWS re:Invent 2025」セッション3選(齊藤弘樹)

